□投稿者/ inside 一般人(2回)-(2008/04/06(日) 19:11:50)
| > 器材は揃っているのでそのうち実験します。 実験するのは結構ですが、まずはIHの原理を考えてから行動してくださいね。実験する際はお願いですから電波暗室での実施をお願いします。
では軽くIHの説明を。 IHは磁力線が金属中を通る際に発生する渦電流により、ジュール熱を発生させることで加熱しています。もしあなたが電力分野に経験豊かであるのなら、トランスで発生する熱を逆に利用していると考えればよいでしょう。 よくある勘違いですが、電子レンジのように電波により直接分子を振動させているわけではありません。
磁束密度は天板に接触している部分が最も高く、天板から離れると距離の2乗に反比例(多分; ビオサバールの法則を参照)して一気に下がりますので、まずは空の鍋を置いて内側の磁束密度なり磁場の強さなりを測ってから試すとよいでしょう。熱でセンサーの校正がうまくいかないんですけどね…。 ## 最初、ここを盾に突っ込もうとしましたが、計算してみると「微妙」な値が出ちゃったのでやりませんでした。
また、HDDの防磁加工はかなり強力です。 どのくらい強力かというと、あなたもご存知かと思いますが、HDD内のネオジム磁石の磁力を外にほとんどもらさないほどです。 ネオジム磁石は数センチのかけらで10kgの鉄塊を軽々と持ち上げますが、HDDがスチールケースにくっついたりしないことはご存知かと思います。(静かにやればくっつきます。また古いHDDは防磁が不十分なのか、くっつきやすいですね。)
さらに、前述のとおりIHは加熱を伴います。ネオジム磁石のキュリー温度(磁価を失う温度)は310℃前後と一般の永久磁石よりもかなり低く(サマリウム磁石の場合、あまり注意は必要ないかも)、この温度に達すると磁石として機能しなくなります。厳密にはIHの磁力線の方向に磁化されるはずですが、果たして交流の磁界で磁化できるかどうか…。 要するにこれはHDDそのものを破壊することを意味しますので、仮に実験するのであればお気をつけください。 また同様に、HDDのプラッタ上の磁性体にもキュリー温度があります。どんな物質を使っているかは不明ですが、熱による破壊でないことを証明する必要があるでしょう。
なお、磁力により破壊されたことの証明方法ですが、上記の注意点に留意した上で、新品の同一ロットのHDDを3台購入し、まったく同じデータを書き込み、1台をIHで消去、1台を物理フォーマッタで消去、1台を比較用においておき、プラッタを取り出して磁気力顕微鏡で見るのがよいかと思います。面倒なら砂鉄でもいいですが…。 ちなみにHDDは、垂直方向に400[kA/m]程度の磁界でガツンとやれば消えるようです。(ハードディスク・クラッシャーなる製品の定格値) あと、磁力によりHDDを破壊した場合、工場検査でバレバレですので、その点はご留意ください。
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