| 米ソフトウエア最大手マイクロソフトは8日、2004年に世界中で猛威をふるったコンピューターウイルスを作成したドイツの少年(19)が地元警察に逮捕され、有罪判決を受けるのに協力したドイツ在住と見られる2人に対して、懸賞金を合計25万j(約2800万円)支払うと発表した。 マイクロソフトは2003年11月、ウイルス作成犯の逮捕などに協力した人に対する5 00万jの懸賞金基金を設立したが、今回が初の適用。 このウイルスは「サッサー」 と呼ばれ、基本ソフト「ウィンドウズXP」「同2000」などを搭載するパソコンを攻撃対象とし、04年5月ごろに世界中に被害が拡大した。 ドイツの警察はサッサーのプログラムを作成した容疑で、ドイツ北部に住んでいた少年を逮捕したが、この際、少年と同じ地域に住むと見られる2人が提供した情報が逮捕に結びつく有力な手がかりとなった。 07/09読売新聞夕刊より
インターネットバンキング利用者の口座から、本人の知らないうちに別の銀行の個人口座に送金される被害が相次いでいることが分かった。毎日新聞の調べでは、今月に入り、少なくともみずほ銀行(東京都千代田区)など3行で9件あり、計約550万円が別の口座に移されていた。警視庁ハイテク犯罪対策センターは、プログラムソフト「スパイウエア」を使いパスワードを盗み出し犯行を繰り返しているとみて、不正アクセス禁止法違反の疑いで捜査を始めた。
最大の被害は、東京都世田谷区の会社社長の男性(61)の500万円。今月5日午前9時〜同11時半ごろにかけて、男性のみずほ銀行の普通預金口座から▽東京スター銀行池袋支店に210万円▽千葉銀行新松戸支店に200万円▽りそな銀行野田支店に90万円――がそれぞれ振り込まれていた。口座は、それぞれ異なる個人名義で、男性が知らない名前だった。
同日午前、銀行から「ネットバンキングのメールアドレスの変更」を通知するメールが男性に届き、アドレス変更に心当たりがなかった男性が問い合わせて発覚した。男性によると、6月下旬に不審な添付ファイル付きのメールを開いたことがあり、その際スパイウエアに感染したらしい。また、ネットバンキングは取引をメールで知らせており、アドレスの変更は、発覚を遅らせる狙いがあったとみられる。
こうした被害は、他にみずほ銀行で1件、インターネット専業銀行「ジャパンネット銀行」(新宿区)で1件、同「イーバンク銀行」(千代田区)で6件、少なくても確認された。計8件はいずれも今月1日に被害に遭っており、少なくても計五十数万円が、同一の個人口座に送金されていた。
警視庁の調べでは、被害者のパソコンはいずれもスパイウエアに感染した形跡があった。ハイテク犯罪対策センターは、銀行から任意提出を受けたコンピューターサーバーの通信記録を解析、不正アクセスされた侵入経路の解析を進めている。
全国銀行協会は「このような手口で預金が引き出される被害は、これまで聞いたことがない。どんな対策ができるか検討していきたい」と話している。
みずほ銀行やイーバンク銀行は、それぞれのホームページ(HP)で注意を呼びかけている。みずほ銀行は、「TSPY_BANCOS.ANM」、イーバンク銀行は「SPYW_INVKEY12.A」と「Spyware.InvisibleKey」という名前のスパイウエアで顧客のパソコンが被害に遭った、としている。電子メールに添付されたファイルで感染しており、心当たりのないメールやファイルは開かないように求めている。
07/09毎日新聞より
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